空き家の売買で注意すべき双方代理について解説します 横浜で空き家対策|株式会社エムズリビング
不動産売買には、禁止行為がいくつか存在します。
そのうちの1つが、今回解説する“双方代理”です。
初めて耳にしたという方も多いかもしれません。
こちらは、空き家売買の代理人を務める方に注意してもらいたいルールであり、詳細については事前に知っておく必要があります。
詳しく解説しましょう。
双方代理の概要
空き家売買では、売主または買主が委任状を作成することで、代理人に売買に関する手続きの一部を依頼したり、すべての手続きを一任したりすることができます。
しかし、代理人は売主と買主、どちらか一方の代理人しか務めることができません。
このとき、同一人物が双方の代理人となることを双方代理といいます。
例えば、Bが売主A、買主Cのそれぞれの代理人となり、空き家売買を成立させることは、双方代理に当たります。
後述しますが、上記の場合に、売主Aまたは買主CがB自身である状況を自己契約といい、これも双方代理と同じく認められていません。
なぜ双方代理をしてはいけないのか?
空き家売買において、双方代理が禁止されている理由は、とてもシンプルです。
こちらを許可してしまうと、代理人の行動によっては売主、あるいは買主が大きな損害を被るからです。
そのため、たとえ正式な委任状が作成されている場合であっても、双方代理に当てはまる代理人は、代理人としての権限を持たない無権代理人扱いになってしまいます。
では、“代理人の行動によって、売主あるいは買主が損害を被る”とは、具体的にどんなケースを指すのか見てみましょう。
双方代理で売主または買主が損害を被るケース
高齢者のAさんは、自身が所有する空き家を売りに出しています。
これに対し、Aさんの長男であるBさんが気を遣い、Aさんの代理人を務め、空き家売買関連の手続きを代行することにしました。
その後、Bさんの知人であるCさんが、売り出されている不動産を気に入り、購入することを決意します。
しかし、CさんもAさんと同じく高齢者であったため、空き家売買の代理人として、Bさんを選びました。
こちらの場合、Bさんは売主のAさん、買主のCさんの両方の代理人を務めることになります。
これが、空き家売買で注意しなければいけない双方代理です。
ちなみに、このときBさんは、自身の親であるAさんの空き家を自由な価格で売却できます。
なぜなら、Bさんは買主であるCさんの代理人でもあるため、どれだけ価格が高くても契約できるからです。
もちろん、こうなるとCさんは、法外な価格で空き家を購入しなければいけなくなる可能性もあります。
こういった事態を起こさないためにも、双方代理は行ってはいけません。
ちなみに、双方代理によって行われた空き家売買において、損害を被った売主、買主が主張すれば、一度成立した物件の引き渡しを取り消すことは可能です。
双方代理が有効になるケース
双方代理には、例外的に有効になるケースがあります。
それは、売主と買主、双方が損害を被らないと判断される場合です。
例えば、司法書士に登記申請を行う場合などは、もっともわかりやすい例だと言えるでしょう。
売主あるいは買主の中には、売買契約完了後の空き家に関する登記申請について、司法書士に代行してもらう方も多いです。
このとき、1人の司法書士が、売主と買主の両方から登記の代行、つまり代理人になってほしいと依頼されることがあります。
こちらも、厳密にいうと双方代理に当てはまりますが、先ほど解説した空き家売買の例とは違い、無効にはなりません。
なぜなら、この双方代理では、価格交渉などがまったく存在せず、売主または買主のいずれかが不利益を被ることは考えにくいからです。
自己契約について
空き家売買では、双方代理に似ている禁止行為である自己契約にも注意しなければいけません。
こちらは、空き家売買における代理人が本人の相手方として契約することを指しています。
わかりやすくいうと、売主Aの代理人を務めるBが、買主もあわせて務めるようなケースです。
一般的に、代理権には買主を探すことに加え、価格交渉をする権利や、契約を締結する権利も含まれています。
そのため、上記のような契約を認めてしまうと、代理人B(買主B)は売主Aの不動産を安くして、売買契約を結ぶことができます。
つまり、売主Aさんは利益を害する可能性があるということです。
自己契約を行ってしまった場合、その空き家売買の契約は無権代理となり、代理人に依頼した本人に契約の効果は及ばないため、注意しなければいけません。
ちなみに、本人が承諾している場合は有効な契約となりますが、双方代理同様、トラブルにつながりかねない契約方法であることには変わりありません。
まとめ
ここまで、空き家売買において注意したい禁止行為の1つ、双方代理について詳しく解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
少し複雑なルールではありますが、ポイントさえ押さえれば、決して覚えられないような内容ではないでしょう。
また、「代理人になってほしい」という依頼をすべて断ることができれば、知らず知らずのうちに双方代理に該当してしまうことはありません。
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